Master The MainframeはIBM Z Xploreにリニューアル

10数年に渡り、毎年開催されてきた米国IBMが主催する学生向けのコンテスト「Master The Mainframe」は、今年の9月に「IBM Z Xplore」としてリニューアルされました。IBM Z Xploreは、学生向けコンテスト色が強かったMaster The Mainframeに対して、学生のみならず多くの一般社会人も含めたIBM Zのエンタープライズ・コンピューティング・スキルの習得に関心のある全ての人向けに変わりました。これまでもMTM用のラーニング・システムは学生以外でも利用が可能でしたが、全ての人が利用できることシステムであることが前面に出ています(同じシステムを利用しての学生向けコンテストは「IBM Z Student Contest」として2021年10月中旬から並行して開催されます)

「IBM Z Xplore」に参加してラーニング・システム(z/OS)を利用するには、US IBMの「IBM Z Xplore」のWebサイト(https://www.ibm.com/it-infrastructure/z/education/zxplore:2021年9月現在)から進みます。昨年までのMaster The Mainframeのラーニング・システムを利用していた場合は、登録済みのIBMidとパスワードでログインできますが、ID(メールアドレス)かパスワードが違っていますというエラーが出る場合があります。その場合は、Webページ内に表示されたガイドに従ってパスワードをリセットしてみます。今年からパスワードが最低12文字に変わったのでそのせいかも知れません。新たにアカウントを登録しようとしても、以前の同じIBMidではそのアカウントは既に存在しますとはじかれてしまいます。2020年のMaster The Mainframeのラーニング・システムに登録した際のIBMidでログインできた場合やパスワード・リセットでログインを進められた場合は、昨年のMaster The Mainframe課題と今年のIBM Z Xplore課題を切り替えることもできるようです。

ラーニング・システムは昨年同様MicrosoftのVSCodeとZowee Explorerを使用してz/OSにアクセスします。今年の9月上旬以前にMaster The Mainframeのラーニング・システムに登録して既にVSCodeを使用している人は、そのVSCodeに新しいIBM Z Xplore用のラーニング・システムのプロファイルを追加すればアクセスできます。
新しいIBM Z XploreのWebシステムにログインすると、最初にあなたは学生か?とか学校や会社はどこか?という質問を聞いてきますが、どちらもnoneと選択するか入力すればいいです(本当に学生でなければ)。その他のメールアドレスや国名については素直に入力、選択します。質問に答えて進めれば、IBM Z Xploreのあなた用のホーム画面に進みます。FUNDAMENTALSの最初の課題であるVSC1を表示すれば、そこにあなたに割り当てられたユーザーIDとパスワードが表示されています。VSC1 Challengeと記されたpdfを参照すれば、VSCode等のツールのインストール方法や接続するz/OSシステムのIPアドレスとポート番号がわかります。後は、pdf内容に従って作業を進めます。VSC1、Files、JCL1と順番に課題を進めて行きます。

TN3270については、現時点では新しいIBM Z Xploreの中では解説されていませんでしたが、623番ポートでTN3270はオープン(Listen)されています。ただし、昨年までのMaster The Mainframeのラーニング・システムと違って課題外の操作はかなり制限されるようになってしまいました。MVSコマンドはDisplay系コマンドであっても入力できなくなり(SYSLOG参照は可)、課題以外のデータセットの作成時にはデータセット領域は保証されない旨の警告メッセージが表示されます。もしかしたら定期的にDASDボリュームがモニタリングされて、課題外のデータセットは自動的に削除されてしまうようになっているかも知れません。2番目の課題であるFilesを行えば、userid..JCL、userid..SOURCE、userid..LOADといったデータセットが作成されるので、COBOLやPL/Iなどの基本的なプログラミングやISPFやSDSFの使い方を学習する程度であれば行うことはできそうですが…
今後のz/OSでは、従来のTSOベースのISPF+SDSFに加えて(代わり?)VSCode+Zowe Explorerのようなオープン系同様のUIによるエクスプローラー操作も行われるようになって行くのでしょうが、日本国内では業務でz/OSを使うということであればまだまだISPFやSDSFが主流でしょう。しかし、これから新たにz/OSシステムに携わる20代や30代の若い人達に取っては、業務ではTSO(ISPFやSDSF)を使うことになっていてもその傍らでエクスプローラー操作による使い方にも慣れておくといいでしょう。職場のシステムにZoweやz/OSMF等がセットアップされていて、いつでも利用できるというのでなければ、IBM Z Xploreのラーニング・システムはz/OSの新しい使い方を習得するための有用な手段の1つです。

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